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ジャガーマガジン – 第8号

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最新号では、ブラジルの優美なマーシャルアーツ「カポエイラ」を深く掘り下げました。さらに、新旧カルチャーの融合に挑むアイルランドのアーティストや、ビクトリアン様式の壁紙からiPhoneへとつながるデザインストーリーにも興味をお持ちいただけるでしょう。その他、俳優兼パフォーマーとして活躍する、リズ・アーメッドの素顔に迫ります。

インタビュー

インタビュー し、ちょっと 不 思 議 なんだよね。そういうときは、 人 々は 僕 自 身 に 対 して 興 奮 しているわけじゃない。 僕 はエキサイティン グなことの 一 部 にすぎない。 誰 かが 僕 の 音 楽 を 本 当 に 愛 し て い て も 、そ の 愛 は 僕 に 対 して の も の で は な い 。そ れ は 人 が 見 ている 僕 の 一 部 分 、つまり 僕 のホログラムバージョン なん だ 」。 「スターウォーズ」に 出 た ことで 、ホ ロ グラム に つ い て 少 し わかったよ。 人 はホログラムの 君 を 愛 するかもしれない、ホ ログラムの 君 を 憎 むかもしれない、でもそれは 本 当 の 君 で はないんだ。それはすごく 役 に 立 つアナロジーだから、いつ も 頭 に 入 れ て おくべ きだ よ 。ホ ロ グラム は 君 を 混 乱 さ せ る か もし れ な い か ら 」。 アーメッドによると、 本 当 の 自 分 を 保 つために、 家 族 が 大 きな 役 割 を 果 たしているということです。「 母 が 心 配 するの は 僕 がちゃんと 食 べているかどうかということだけ で、Twitterのフォロワーが 何 人 いるかなんて 気 にもかけ ない」。 家 族 は 仕 事 でも 大 きな 役 割 を 果 たしています。 彼 の 両 親 は1970 年 代 にパキスタンから 英 国 に 移 住 してきまし た。2つの 文 化 の 間 で 育 ったアーメッドが 奨 学 金 を 獲 得 し、 オックスフォードへ 通 ったことは、 彼 が 異 なる 階 級 に 適 応 し た ことも 意 味 して い ます。 自 分 のバックグラウンドは、クリエイティブな 世 界 でとて も 役 立 つそうです。「2つの 異 なる 自 分 を 切 り 換 えられるこ と が 、す ごく 役 に 立 って きた と 思 う。2つの 別 の 顔 を 使 い 分 けることによって、 役 者 として 成 功 できたんだから。すごく 若 い 頃 か らそうして きた 。 毎 日 、 異 なる 文 化 と 階 級 を 乗 り 越 えること は 、 一 日 中 異 なるキャラクター を 演 じて い るような も の だ よ 」。 「 自 分 のどちらかのバージョンを 選 ばなければならな い、という 不 都 合 なケースもあるけどね。 今 のポジションで はそのことをあまり 考 えなくていいけど、『 自 分 が 何 かする ときに、どうしたら 自 分 自 身 を 最 大 限 に 表 現 できるか』に つ い て は 考 えるよ 」。 実 際 、リズ・アーメッドはいまもっとも 勢 いのある 俳 優 のひ とりです。 最 近 の 作 品 を 見 れば 明 らかです。 彼 の 最 新 映 画 、 「Sound of Metal」では、 聴 力 を 失 うドラマーを 演 じています。 絶 望 に 打 ちひしがれ、 酒 やドラッグにおぼれ、 聴 覚 障 害 の ある 薬 物 依 存 者 のためのホームに 入 所 します。「なんてこ と、まるでリズ・アーメッドのようじゃないか」と 思 う 人 はあま りいないかもしれません。でも 本 人 はその 意 見 に 同 意 でき ないようです。 「 自 分 自 身 と 役 柄 の 接 点 を 見 つけるんだよ」と 彼 は 言 い ます。「 自 分 にとっての 重 要 な 接 点 は、「 自 分 にはどんな 価 値 があるんだろう。 仕 事 以 外 の 僕 の 価 値 は 何 だろう」という ことだった。それは、 僕 が 演 じたルーベンが 直 面 しているこ とそのものだ。「 自 分 自 身 に 直 面 せざるをえない 自 分 は 何 者 だろう」。 僕 は、じっと 座 っていることが 苦 手 な 人 間 で、だ からこそこのロックダウンは 苦 痛 以 外 の 何 物 でもない。 自 分 の 行 動 は 自 分 で 決 めてきたからね。でもルーベンは 静 寂 の 中 で じっと 座 って い るし か な い 。 自 分 自 身 と 共 に 、 自 分 の 内 面 と 向 き 合 って。それは 恐 ろしいことかもしれない。 写 真 :STUART CLARKE/SHUTTERSTOCK(16ページ)、TOM VAN SCHELVEN(17~18ページ)、BBC(19ページ) 僕 は そ れ に 共 感 すること が で きる 」。 「だから、『ドラマーらしく 演 じよう』と 外 側 から 見 るので はなく、 内 面 から 表 現 するよう 努 力 すべきだと 思 う。カメレ オンとして 育 った 人 に 対 しては、カメレオンとして 作 品 にア プローチする。つまり、カメレオンになるのは 一 度 で 十 分 と いうことなん だ よ 」。 これと 同 じことが 彼 の 音 楽 にもあてはまります。20 代 の 前 半 は、DJ、MC、ライター、バトルラッパーとして 輝 かしい 成 功 を 収 めることに 夢 中 でした。しかし、お 金 を 稼 ぐことに は 関 心 はなかったそうです。 最 新 アルバム「The Long Goodbye」は、 彼 自 身 を 材 料 にした 料 理 のようなものです。「リ ゾット(Riz-otto)」と 呼 ぶことにしましょう。 その 音 楽 は 東 洋 と 西 洋 から 影 響 を 受 けたカクテルであり、 イギリスとアーメッドの 複 雑 な 関 係 をうかがわせます。 歌 詞 とも 詩 ともつかない 言 葉 が 並 びます。ショートフィルムもつ いています(YouTubeで 視 聴 可 能 )。21 世 紀 の 政 治 にう んざりしている 人 は 必 見 です。また、ソロの 場 合 も、スウェッ トショップボーイズ(ラッパーのヒームズとプロデューサーの レ ディン ホ と の コ ラボ レ ー シ ョン )の メン バ ーとして も「リズ MC」の 名 前 でリリースされていたのに 対 し、このアルバム はリズ・アーメッド の 名 前 でリリースされて い ます。 「このショートフィルムでは、 僕 のいろいろな 面 がひとつ に 集 約 されて い る 」。「 演 技 、 音 楽 、 言 葉 。 社 会 で 起 こってい ることの 一 部 について 語 っているんだけど、すごく 個 人 的 な 場 所 か ら も 語 って い るん だ 。お もち ゃ は ひとつ の 箱 に 全 部 入 れてしまいたい。 自 分 のどの 面 を 見 せるかを 選 ぶ 必 要 は な い ん だ よ 」。 「Sound of Metal」がリリースされ るまで 、 俳 優 を 辞 め ること さえ 考 えていたとも 言 っています。 想 像 したくありませんが、 少 なくともしばらくの 間 は 俳 優 を 続 けてくれるでしょう。 彼 はオーディエンスとのコミュニケーションを 必 要 としている ということです。でも、 他 にどのような 方 法 があるでしょうか。 彼 はファッションコンシャス(ファッションに 敏 感 )なタイ プ で 、 彼 が 言 うに は「 コ ン シャスファッ シ ョン 」、つ まり 自 分 自 身 を 表 現 するサステイナブルな 方 法 に 関 心 があるという ことです。 映 画 製 作 に 数 年 携 わった 後 、ある 人 からそれは 「プロデューサー」の 仕 事 だと 指 摘 されました。 今 のところ、 プロデュース 業 は 彼 の 最 優 先 事 項 ではありませんが、レフト ハンデッドフィルムズを 設 立 し、2020 年 のベルリン 国 際 映 画 祭 で「 Mogul Mowgli」が 初 上 映 されました。 世 界 は 常 に 変 化 します。 私 たちも 同 じように 変 化 しなけ ればなりません。し か し 、 新 し い ことを 始 め る に あ たり、 突 飛 なアイデアは 必 要 ない、とアーメッドは 教 えてくれます。 何 かを 選 択 するときに 必 ず 新 しい 方 法 が 見 つかる、と 彼 は 言 います。「 僕 にとって、それは 必 ずしも 俳 優 を 辞 めるこ とを 意 味 しているわけではないんだ。それは、 演 じる 役 柄 に つ い て 、 準 備 する 方 法 に つ い て 考 えると いうことだ よ 。 同 じアートの 分 野 で 自 分 自 身 を 表 現 する 別 の 方 法 、 同 じフィ ールドで 成 長 する 別 の 方 法 を 見 つけることは 可 能 だと 思 う」。 「カメレオンに なるのは 一 度 で 十 分 」 20 / Jaguar Magazine Jaguar Magazine / 21

 

JAGUAR MAGAZINE

 

『JAGUARマガジン』は、美しいデザインや最先端のテクノロジーなど、あらゆる分野のクリエイティビティにフォーカスして、皆さまの感性を刺激します。

最新号では、ブラジルの優美なマーシャルアーツ「カポエイラ」を深く掘り下げました。さらに、新旧カルチャーの融合に挑むアイルランドのアーティストや、ビクトリアン様式の壁紙からiPhoneへとつながるデザインストーリーにも興味をお持ちいただけるでしょう。その他、俳優兼パフォーマーとして活躍する、リズ・アーメッドの素顔に迫ります。

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